/ 2016年2月8日月曜日 / No comments /

ITのチカラで、地方を創生する〜株式会社NOWALL柏木祥太社長と八幡平市田村正彦市長が対談〜


岡田副市長:これまで何人が、スパルタキャンプを受けたんでしたか?

柏木社長:八幡平市内で2回開催しまして、これまで延べ22人が受講しています。

岡田副市長:八幡平市でスパルタキャンプをやってみてどうですか。東京と違いますか?

柏木社長:地方では、そもそもこういうスパルタキャンプのようなイベントがないので、スタート時点の意欲が違いますね。応募した段階で、そこはかなり保証されているように感じます。東京だとそうした機会が多いので、それほどでもないですね。

岡田副市長:着々と進んでいるようですね。

柏木社長:そうですね。

田村市長:ご出身はどちらですか?

柏木社長:大阪です。高校2年生くらいまで大阪にいました。高校は途中で辞めてしまったんですけど、中学生くらいから、自分でパソコンでプログラミングとかを趣味にしていたので、それを仕事にしようと思って、東京に出てきました。IT系の会社にエンジニアとして就職して、その後、独立して会社をやっています。気付いたら、八幡平市にも会社を設立することで、もう岩手日報にも報道されましたけれど(笑)

田村市長:我々にはまったくついていけないような世界ですね(笑)

どこでもできるITは無限大の可能性


岡田副市長:これまでスパルタキャンプを受けた22人は、もう即戦力として働けるわけですね。

柏木社長:ええ、そうです。そこを目指してカリキュラムを組んでいますので。

田村市長:例えばどこかの企業から、こういうプログラムを開発できないか、という注文が来るわけですか。

柏木社長:そうです。それを発注を受けて、僕たちがそれのとおりに作ってくという仕事をやっています。それを僕は、この会社をつくる前から、フリーランスの時からそういうことをやっていたりしまして、経験を積みながら、この会社を創業しました。日本全体でスマートフォンが普及してきて、そういうIT系の需要がすごい高まってきていて、作れる人をもっともっと必要とされていますね。

田村市長:例えば工作機械みたいなものを効率化させるとか、そういうものも請け負えるわけだ。

柏木社長:まさにそうですね。それをITの力を使って、こういう風に効率化させましょう、仕組み化させましょうということを提案したり、作ったりということもやっています。

田村市長:可能性があるかどうか分からないが、この辺は第一次産業が盛んだから、例えば豚を育てるための有効的なソフトだとか、あるいはリンドウの栽培とか均一的な調整とか、そういうこともできるものですか。

柏木社長:そのノウハウをデータ化して、分析するとか。色んな手法がありますね。

田村市長:既存の機会はあるんだけれど、それがフルに使えていないなんてことも良く有ります。

柏木社長:最近だと、ITを使ってお金の流れを効率化させようというFintech(フィンテック)なんていう取り組みも注目され、金融庁も乗り出してきています。ITは、あらゆるものに関わりを持ってきています。

田村市長:無限大ですね。ITの可能性は。

柏木社長:昔は紙に書いて郵便で何日かかけて届けるしかなかったものが、今だとメールで一瞬で届くようにになっています。もっとITの力を使って効率化したり、面白いことをやっていきたい、という流れが来ています。いざ、それを作ろう、となってもできる人が足りない。だったら、そういう人たちを育て上げよう、という考えです。もともと僕は、フリーランスのときにこのスパルタキャンプという、プログラムを書けるような人を育てるイベントをやろうと思って、最初は一人でやっていたんですけれど、会社を興して、東京だけでなく地方でもやっていこう、ということをやっています。

田村市長:何かで読んだが、高知の方でやっているグループもあるの?

筆者:四国でやっているのは、東京の会社が開発拠点を構えるというものですね。

田村市長:会社まるごと移転しているとか?

筆者:本社を移転している例もあるそうですが、基本的には小規模な事務所が多いみたいですね。

岡田副市長:先日、盛岡広域首長懇談会の研修で聞いた話だと、高知とか徳島でやっているとか。

筆者:トーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬さんが来た時の話ですね。

岡田副市長:面白いなと思って話を聞きました。

スパルタキャンプで全てを教える


田村市長:どうですか、ここでやることに対しての、不安とかはないですか。

柏木社長:正直、来たこともなかったので、どういうところなのかな、というのが先に立ちました。でもこうしてスパルタキャンプを2回やってみて、生徒さんたちの顔とかも憶えて、皆さんすごく意欲が高いという印象を受けて、だったらもっとこういう人たちを育てたいし、仕事をやっていくっていうことに対しても、全然いけるんじゃないかな、と思っています。そういう意味で言うと、正直あまり不安に思っていることっていうのはないですね。

岡田副市長:今は距離の感覚っていうのはあまりないですからね。光回線も使えるし。

柏木社長:ここで拠点を構えて東京とこっちで頻繁に行き来するとなると、盛岡まで新幹線でそこから先は車で、とかなると大変です。けど結局、インターネットなんで、例えばビデオ通話とか、ずっと同じ場所にいないといけないということもありません。僕自身も会社のオフィスにはいますけど、フリーランスでやってた頃は、自分の好きな場所でやっていました。インターネットとパソコンさえされば、どこでもできますので。そういう意味では、場所はそんなに関係ないと思っています。

岡田副市長:安比なんかは、すごく静かでいいんじゃないですか? 静かすぎるくらいかもしれませんが(笑)

柏木社長:そうですね、誘惑も少ないですし(笑)

筆者:スパルタキャンプの会場に使ってたログハウスなんかですと、夏は外でカッコウが鳴いてうるさい、っていうくらいですかね(笑)

柏木社長:プライベートでも安比には滑りに来たいと思ってますので。

岡田副市長:スパルタキャンプは、まだ2月にもやる予定でしたか。

筆者:そうですね。2月の27日から3月の27日まで。

岡田副市長:それは長丁場だ。

筆者:3つのシリーズをやる予定です。

柏木社長:僕達が持っている技術については、教えられるものについては、ぜんぶ教えてしまおうと思っています。それを教えることによって、 毎回やっている内容は違いますけれど、ここが得意だけどこっちは苦手みたいなことはあると思いますけど、それぞれの長所を生かすことで、それが仕事につながります。僕らが東京でやってることのような、案件とかをここの人たちにやってもらって、ゆくゆくはITで独立をしてもらおうと考えています。

岡田副市長:前回は、一番遠くはどちらから来たんでしたか?

筆者:一番遠くは神奈川県川崎市でした。

岡田副市長:けっこう他県からも来るんですね。

柏木社長:びっくりしたのは、うちのオフィスが入っているビルに住んでいる方が、こちらに通われていましたね(笑)

田村市長:オフィスはどちらに構えていらっしゃるんですか?

柏木社長:西新宿です。

生活の隅々にまで浸透するIT


工藤地域振興課長:他の業界とのコラボレーションとかはどうですか? 八幡平市は観光が盛んですけど、ウェブとかで支援とか、そういうものもやっていただければ助かりますね。

柏木社長:ITを中心にして、いろんな業界にどんどん仕組みを形成していこうという取り組みは出てきています。その中の一つとして、もちろん観光もありますし、金融庁が進めているお金の流れもあります。ITを中心にして、いろんなところに波及していってるので、観光という面でも、もちろんあると思います。

工藤地域振興課長:テコ入れを必要としている分野がたくさんありますので。

柏木社長:そうですね。日本でインターネットが本格的に繋がりだしたのも1994年くらいとかで、そこから20年以上が経ちましたけど、まだまだITの力が及んでない分野はあります。

田村市長:日本は遅れているんですか?

柏木社長:中国とかよりは進んでますが、アメリカにはぜんぜん及びません。

岡田副市長:韓国もすごいと聞きますが。

柏木社長:そうですね。韓国もすごいです。インドもめちゃめちゃ優秀な人たちが多いです。今のままだと、中国・韓国も伸ばしているので、このままだと追いぬかれてもおかしくありません。それに勝つため、というとおかしいかもしれないんですけど、そうした分野に関係していける人たちを増やしていきたいです。そもそも知らないという人たちが多いので、もっとITの世界を知ってもらって、そこでやっていける人たちを育てていきたいなと考えています。日本でもプログラミング教育を義務教育に取り込むなんて動きも出てきますが、とっくにやってる国も多いです。けど今ふつうの日本の学校にいていると、そういうものを学べない。そこで民間からやっていくことで、学校では教えてくれないことを学べるような場所を提供したいと思って、この会社をやっています。

工藤地域振興課長:プログラミング教育部門と、システム開発部門と、売り上げ的にはどうですか?

柏木社長:半々くらいですね。

工藤地域振興課長:けっこう人材を輩出されていますね。

柏木社長:うちだと、他のスクールと違って、そのまま現場の仕事も体験できる仕組みを持っています。部門同士のシナジー効果も高いです。インプットだけの人でなく、実際に手を動かして学びました、という人を増やしていきたいです。そういう事業を東京だけでなく、八幡平市、全国にも広めていきたい。

田村市長:大学とかで勉強した人もいるだろうけれど、レベル的にはどうなんですか?

柏木社長:大学で学んでいることと、現場でやることって、似ているようで全く違います。大学でコンピュータやってきました、という人でも、新卒で就職したら、もう一度ゼロから勉強しなおし、というのがほとんどですね。実際に、コンピュータの学科を卒業しても、小売業に就職している例もあると聞いています。それってすごくもったいないです。人材の機会損失です。大学には行ったけど、向いていないと思ったから別業種に就職するというのなら分かりますけど、現地にそういうITの会社がないから、諦めて別業種にというのは、とてももったいないです。うちがそういう地方に拠点を構えるというのもそうですけど、他の企業もどんどん巻き込んでいきたいと思っています。今はただでさえ、プログラムを書ける人が不足しているというのに、せっかくその卵になったのに、他の業種に行ってしまうのはすごくもったいない。

岡田副市長:うちで起業家になると、工場とかありますし、そういうところとの連携もできると波及効果も出ます。

柏木社長:そういう人たちが出てくることによって、業種も関係なく、広がっていきます。

ITのチカラを使って地方を創生する


工藤地域振興課長:進出後の構想とかもあれば。

柏木社長:うちが進出して、現地で実際に拠点を構えていくのもそうなんですが、ITの世界だと、自分でサービスだとか、スマートフォンのアプリを1つ立ち上げてそのまま上場、なんて話もよくあります。それくらい可能性があるので、そういう人たちを僕達が支援していきながら、最初の立ち上げをしたいとか、ITのサービスで起業したっいっていう人たちが、シェアオフィスみたいな形で一緒にやって、だんだん独立して自前でオフィスを構える、っていう人たちをここから出していきたいなと考えています。それが、最近よく言われる地方創生になるのかな、と。こういう場所から出てくることで意義があると思いますし、結果的に雇用が生まれて、地方創生につながるのかなと。

岡田副市長:いろいろ相談してもらえれば、支援できることもあるでしょう。

筆者:徳島でもどこでもそうですが、1社目が来ることで、流れが起きています。その1社目になっていただいて、ここから流れを創りだしていきたいと考えていますので。

田村市長:ぜひここで頑張っていくようにお願いします。

柏木社長:分かりました。うちがそれを代表して、他の会社も巻き込んでいきたいと思います。誘致っていうのもそうですけど、ここから出していくっていうのも目指していきたいと思っています。

田村市長:ぜひお願いします。

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