/ 2016年2月24日水曜日 / No comments /

なぜ二代目経営者は事業に失敗してしまうのか?保守的な経営戦略に潜む危険性とは


小泉進次郎を始めとして、政界では2世議員が活躍しています。地元の支持や資金、知名度をそっくり引き継げるため、2世議員は有利ですが、経営者に関して言えば二代目、三代目は最初の創業者より開拓精神がなく、失敗することも多々あるようです。

ダイエーを潰した二代目経営者

1970年から80年代にかけてダイエーを日本最大の小売業にまで育て上げた中内功氏自身は、まさに開拓精神の塊のような経営者でした。しかし、33歳で副社長となり、後を継いだ息子の中内潤氏は、欧米型の低価格スーパー「ハイパーマート」を導入するも失敗し、グループ全体の経営悪化を招き、かつての流通王国ダイエーは見る影もなくなってしまいました。

その理由として挙げられるのが、商学の博士号を持っていた潤氏が理論ばかりにこだわり、柔軟性を持った経営ができなかったということです。また、コスト削減を最重要視する父親の理念をそのまま信じた経営によって、市場のニーズを読み取れなかったことも挙げられます。

二代目はなぜ失敗するのか?

ダイエーの失敗をすべて二代目経営者だけに帰結させることはやや極端かもしれませんが、第一世代が起こした変革やイノベーションを守り続けようとしたことや、そのスタイルを意識し過ぎてしまったことが原因であったことは否定できません。

文字通りの2世、3世経営者だけではなく、価値観が大きく変容する中で登場した起業家やベンチャーに続く第二世代、第三世代にも同じ傾向があります。第一世代の成功に乗っかるだけで保守的になったり、制度疲労が起こったりして、最終的には破滅に向かうのです。

新しい世代は「夢」を追求すべき

起業家といえば、つい最近までソフトバンクの孫正義氏や楽天の三木谷浩史氏の名前が挙がりましたが、彼らとは一線を画す新しい世代の起業家たちが登場しています。

ミクシィ会長の笠原健治氏やマネーフォワード社長の辻庸介氏などです。彼らが起業家として成功しているのは、先立つ世代とはまったく異なった視点、価値観を持っていることです。先代の起業家たちは「年商」や「世間からの評価」にもこだわりを見せていましたが、新世代の起業家たちは周囲にまどわされず、自分たちのやりたいこと、夢を追い求めているところに特徴があります。

おわりに

かつての起業家の成功から学ぶことは重要ですが、起業するなら、その成功を真似たり、同じ手法をとったりするだけでは不十分です。起業家たるものいつの時代も新しいものを生み出したいという開拓精神がなければ成功はおぼつかないでしょう。

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