/ 2015年10月8日木曜日 / 1 Comment /

スパルタキャンプ in 八幡平市・株式会社NOWALL柏木社長にインタビュー~プログラミング教育でもっと自由な人生を〜


近年では、プログラミングスキルを無料で身につけられる勉強会がいたるところで開催されるようになりました。IoT(Internet of Things)という言葉も注目されており、インターネットが当たり前の時代となった今、ビジネスにおいてプログラミングの需要が高まっていることが背景にあります。

今回は、八幡平市と共同で無料のプログラミング学習会「スパルタキャンプ」を実施している株式会社NOWALL代表の柏木社長にお話を伺いました。プログラミング教育に力をいれるモチベーションはどこからきているのでしょうか。

スパルタキャンプ開催に至るまで



――このスパルタキャンプを開催することになった経緯には、どのようなものがあったのでしょうか?

今から約2年前に家入一真さんと知り合って、プログラミング教育の計画を持ちかけられたことがきっかけですね。「スパルタでみんなにプログラミングを教える機会を作りたい!」ということになり、当時からエンジニアとして働いていた私も主催者・講師として参加することになりました。
1回目は去年の8月に沖縄で開催しました。僕自身は初めての沖縄でとてもいい経験になりました。スパルタキャンプで目標としている「脱落者ゼロ」も達成できましたしね。

――沖縄で開催なんて、とても楽しそうです。今回は八幡平市での開催ですね。

以前スパルタキャンプに参加していた知人の紹介を通して「企業志民プロジェクト」に取り組んでいた八幡平市の中軽米さんと知り合いになりました。ちょうど市でプログラミング教育を開催したいと考えていらっしゃったので、今回共同でスパルタキャンプを同市で開催するに至ります。

仲間と乗り越えるハードスケジュール


――スパルタキャンプでは、具体的にどのようなカリキュラムで勉強会が進行するのでしょうか?

期間は1ヶ月、毎週土日の計8日間、1日8時間かけて取り組みます。まず私たちが全体に基本的な知識を教え、その後に与えた課題をこなしていってもらいます。そこでわからないところがあれば、講師に質問してもらってマンツーマンで細かいところを教えていくというスタイルですね。課題はその都度変わるのですが、例えば今回は教えたことをアウトプットするためにRuby on Railsで「食べログ」のような情報管理サイトを作ってもらいました。

――1日8時間とはすごいですね、確かにスパルタキャンプです。「脱落者ゼロ」が目標ということですが、みなさんついていけますか?

参加者にはHTMLならある程度わかるという人から、「zipファイルって何ですか?」というPC初心者の方まで、本当にいろいろな状態の人たちが集まってくるのですが、これまでのスパルタキャンプでは脱落者ゼロです!
各自の進捗状況によって個別に教えることはできますし、学習者同士でもそのうち教えあうようになってきますね。個人作業が基本のプログラミングですが、みんなで支えあいながらゴールまでたどり着くことができます。ただ、やはりハードな日程なので最終日にはみんなへとへとですが、本当に達成感があります。

――エンジニア仲間ができてとても良い刺激になりそうですね。参加者の方も様々なバックグラウンドを持っている方が多そうです。

そうですね。開催時期によって参加者層にも若干変動はあって、20代後半の方が多いですが、長期休暇と重なるときは学生の子も多いですし、今回は30代40代で今後のキャリアを見据えて、目的意識のはっきりした受講者の方も多かったように感じます。世代や環境の壁を越え、みんなで目標に向かい、自由に学ぶ、という新しい教育のかたちなのではないかなと思います。作業の過程でみんな仲良くなるので、ここで出会った人同士がWebサービスを立ち上げたり、そのまま弊社に入社したりする人もいます。弊社では今後エンジニアとして就職したい人を企業と仲介するサービスもやっていますし、やる気のある方を全力でサポートしていくつもりです。

――みなさん、さっそくエンジニアとして活躍しているのですね!短期間でそんなに技術が身につくなんて素晴らしいです。

もちろん、8日間で基本的なところは叩き込むので、ある程度の操作はできるようになります。けれど、やはり短期間で学べることには限りがあります。エンジニアとしてのやっていくには、それからも猛勉強が必要です。「プログラミングをやりたいけど、何から手を付けていいのかわからない」という人には、マンツーマンで一から教えますから、ぜひ門を叩いてほしいですね。

――柏木さんご自身は独学でプログラミングをマスターしたそうですが、学習過程で苦労したことなどはありましたか。

はい、学生時代に学校の裏サイトのような掲示板を自分で作ったのですが、その時きちんとコードを書いたつもりでもうまく起動しなかったことも何度もありました。けれど試行錯誤の末に、自分の書いたものが動くときの喜びは何にも代えがたく、地道に続けることができましたね。今でもプログラムを書いていてうまく動かないというアクシデントが起こったりもしますが、一晩寝てみたら意外にあっさり解決することも多いです。これから学ぼうとしている人も必要以上に心配せず、とにかく挑戦してみてほしいですね。

民間から教育を変える


――心強い先生ですね。柏木さんが事業としてプログラミング教育に力を注いでいらして、プログラミング教育に大変思い入れがおありのように思えます。

そうですね。現在弊社では、教育事業に注力しています。昨今ではITC教育に注目が集まり、プログラミングについて学べる授業などが設けられている学校は多くあります。けれど企業側にしてみれば、学生や新卒で「学校で勉強しました」という子はたくさんいれど、実際に何か自力で作れるという人は驚くほど少ないです。教室で知識をちょっと学んだというだけで、点と点を結び付けて理解し、自分のものにしている人が少ないのではないかと思います。それではエンジニアとして仕事はできないので、弊社ではプログラマーのための教材や勉強会を開催して、ニーズに即した新しい教育のかたちを創造しています。

――民間の力で若者たちを教育していこうという情熱が大変よく伝わってきます。今国全体でも日本の教育改革をしていこうとたくさんの人が考えていますが、民間だからこそ提供できる教育サービスもあるはずですよね。

私自身も、昔学生生活になじめなかった経験があるので、若い人たちにもこうした教育事業を通して「みんなと同じではなく、もっと自由な選択肢や働き方があるよ」ということを伝えたいですね。

私は途中で高校を退学したのですが、父から譲ってもらったPCをいじるのが楽しくて、独学でプログラミングをやっていたから、エンジニアとして就職も問題なくできましたし、その後独立して今に至っています。学校を最後まで出ていなくても、こうして仕事にも仲間にも恵まれています。何となく大学に行く人も多いですが、有名卒業すればとか大企業に就職すれば将来安定という時代ではなくなってきています。敷かれたレールに乗らず、自分の好きなことを仕事にできたり、もっと自由に仕事ができたりする人を増やしていきたいなと思っています。それは、とても幸せな働き方だと身をもって感じています。行政が教育改革しようと思っても、思い切った変革をするのはなかなか難しいようですから、私たちの事業でより多くの若者により幸せな人生の選択をしてほしいと思っています。



おわりに

独学という習慣が根強いといわれるエンジニア業界で、柏木さんはより多くの人にもっと自由な人生の選択肢を与えてあげようと、スパルタキャンプなどの教育事業に取り組んでいました。「プログラミングを勉強したいけど、何から始めてよいかわからない」、「とにかく何かをして今の生活を変えてみたい」と思っている人にとって、スパルタキャンプはもってこいの企画であると言えるでしょう。これからもスパルタキャンプは継続していくそうなので、興味のある人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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1 件のコメント:

  1. さすがっす。
    システムでプログラミングをやったけど、WEBサイドだと可能性があるなと思っています!!!

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