/ 2015年6月18日木曜日 / No comments /

株式会社、合同会社(LLC)、有限責任事業組合(LLP)……それぞれの会社形態の違いとは?


会社としての認知度は何と言っても株式会社ですが、ITによって会社経営におけるコスト削減が可能になり、実質的には株式会社を選択する必然性は少なくなっています。起業を一つの可能性として考えているなら、合同会社(LLC)、あるいは有限責任事業組合(LLP)も含め、それぞれのメリットとデメリットについて、きちんと知っておくことが必須です。

株式会社のメリット&デメリット

細かい点を挙げていくとたくさんありますが、根本的にはメリットは2点に絞られます。一つは社会的な信頼を得られるということです。実体はどうか、ということは別にして株式会社というだけで「取引しても大丈夫そうだ」というイメージは誰しも持っているかと思います。

社会的な信用を得られると、会社として行う資金調達や従業員の採用がしやすくなります。もう一つのメリットは経営がしやすい、という点です。株式会社としての売上が増えたとしても、事業主とは別に課税されるため、事業に関する出費は経費として処理でき、節税が可能です。

デメリットは運営のコストがかかるということでしょう。毎年売上に関わりなく支払う法人税、社会保険という経済的なコストに加えて、会計処理も通常は税理士に委託しないと処理できないほど複雑になります。

合同会社(LLC)のメリット&デメリット

合同会社(LLC)のメリットは法人でありながら、株式会社よりも簡単に多くの処理が行える点です。例えば、設立手続きの際に準備する書類も少ないですし、費用も半分以下で済みます。また、組織形態も出資者が直接経営に参与することから、意思決定が素早く行うことができ、自由度の高い会社運営が可能です。

しかし、それがデメリットにもなり得ます。合同会社においては出資比率に関係なく、一人一票の議決権があるため、経営において意見の対立が生まれた場合、処理するのに骨が折れます。また、株式会社ほど知名度がないため、社会からの信用を得るのが難しいという現状もあります。

有限責任事業組合(LLP)のメリット&デメリット

有限責任事業組合(LLP)は日本ではまだ導入されて10年くらいの事業形態であるため、合同会社よりもさらに知名度が低いのが難点です。さらに、LLPは法人ではなく、あくまでも組合であるため、LLPから構成員に対して報酬を支給することはできません。あくまでも得た利益を分配する形をとることになります。

メリットはLLCと同様、内部自治が徹底しているため、迅速な経営が行えること、株式会社に比べてコストを抑えることができるという点です。

株式会社、LLC、LLP、一体どれが良いのか?

絶対にベストの会社形態などありません。自分の事業内容、会社の発展状況、売上などに応じて選択することが必要です。一般的には、売上が安定し、従業員も多く抱えるようになり、それに伴い事業に関わるコストが増えているなら株式会社を選択することになるでしょう。

注意したいのは、株式会社、LLCは法人であり、LLPは組合であるため、法人間の組織変更は可能ですが、LLPからLLC、株式会社への組織変更はできないということです。

おわりに

起業に対して敷居の高さを感じている方は「何が何でも株式会社」という概念を持っているかもしれません。しかし、現代はさまざまな形態の起業が可能な時代です。なんとなく「自分には起業は無理」と決めつける前に、多様な可能性について検討してみてはいかがでしょうか。

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