/ 2015年6月4日木曜日 / No comments /

時代の風は読む力は、組織の外にいるほうが有利


「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉があります。会社組織はわたしたちを保護し、安定感を与えてくれますが、その中にずっと留まり続け、限られた狭い知識だけにとらわれていると、物事の大局を把握することは難しくなります。

日本の会社と「ブラック企業」

数年ほど前に「ブラック企業」という言葉が流行語大賞を受賞しました。この言葉、狭義には労働基準法等の法律の網を無視して、社員に過大な負担や長時間の労働を強いる企業のことを指します。

しかし、広義には未だに多くの日本企業は潜在的に「ブラック企業」的な要素を持っているといえるでしょう。つまり、会社理念を第一に据え、社員には会社のために自己を犠牲にするように求め、プライベートの時間までも奪い、精神的、身体的な負担を強いるのです。

環境が人の思考を形作る

組織に属していると、組織の論理が人の価値観を形作ります。社会的に見て、決して優秀な人材でないのに、組織の中で評価され、それなりの報酬や待遇が与えられれば、それで満足してしまうのです。それは脳科学的に見ても実証済みです。

神経生理学者ジャコモ・リッツォラッティによれば、人間の脳にはミラーニューロンという神経細胞があり、それにより人は周りの人の感情や思考に共鳴し、模倣しようとするのです。

その結果、それぞれの会社にはそれぞれの会社の「空気」が醸成され、その中で生きていくためには、その「空気」に逆らうことは許されず、それに追随することが暗黙のうちに強要されることになります。

その結果、自分で判断する機会を逸してしまい、外の世界で起こっているビジネス環境の変革の潮目といった時代の流れを見逃すことになります。

「井の中」を出て、「大海」へ出よう

時代の流れを肌身で感じるには、組織から出てみることが一番です。つまり、起業したり、フリーランスの道を選んだりするのです。もちろん、そのためには会社での安定や、組織の中での心地よさを犠牲にすることが求められます。

誰にとっても決して安易な選択ではありません。もともと組織に属していたにもかかわらず、後に起業した人の一人に、楽天の三木谷浩史氏がいます。

もちろん彼ほどの成功を誰もが収められるわけではありませんが、彼がずっと組織の中に留まり続けていたなら、ネットショッピングの黎明期という「時代の流れ」を読み、迅速に行動することはできなかったでしょう。

その三木谷氏は「みんな過去からの継続性を重視して、物事を考え、その価値観から会社という船から降りることは危険だと判断する。でも、実際に船から下りてみると、大したことない」と語ります。

おわりに

実際に船から下りた世界に何が待っているのか、自分で経験するしかありません。「大海」に出るのは「蛙」自身です。

焦る必要はありません。

しかし、いつまでも先延ばしをしていると「ゆでガエル」になってしまいかねません。

Share This Post :
Tags :

0 件のコメント:

コメントを投稿