/ 2015年6月3日水曜日 / No comments / 起業志民への道
好きなことを仕事にする生き方
2013年に行われた調査によると、30代〜40代の働き盛りなサラリーマンの3割以上が「仕事うつ」を自覚しているとのことです。
仕事上、時折落ち込んでしまうことは誰しもあるとして、定常的に自分の仕事に対してここまでネガティブな働き方、本当に正しいのでしょうか。
好きなことを仕事にできない現実
上記のアンケート結果によると、普段の仕事が忙しいと感じている人は全体の73%、仕事が楽しくないと感じている人が68%、会社に行きたくないと思ったことがある人も55%と半分を超えています。このアンケート結果から見えてくるのは、「仕事が忙しいから疲れる、疲れるから仕事が嫌いになる」「嫌いな仕事をしなくてはいけないから疲れる、疲れるとますます嫌いになる」という自分の仕事に対する負のスパイラルです。
好きなことを仕事にしてはいけない?
この現実を目の当たりにして誰もが感じる素朴な疑問は「なぜ好きなことを仕事にしないのか」ということでしょう。日本社会では未だに「好きなことをして食っていけるほど社会は甘くない」という見方が根強くあります。起業を考えているなんて言おうものなら、「好きなことで起業するなんてもってのほか」という周囲の反対を受けることになるでしょう。国際的な企業調査GEMのデータによれば、企業活動が活発な国ランキングで日本は84ヶ国中84位、なんと最下位です。
好きなことを深め、掘り下げよう
何の考察や計画もなく、単純に好きなことで起業したとしても立ち行かないことは確かです。世界的に有名な経営コンサルタント、マイケルE.ガーバー氏によれば、自分の好きな分野で会社を起こすことこそ、ビジネスにおける失敗の原因とのことです。
なぜなら、もともと好きなことがビジネスへと形を変えると、興味を維持するのが難しくなり、結果として経営自体が行き詰まってしまうことからです。それで必要なのは、自分が好きなことがビジネスとしても意義あることなのか、あるいは好きなことがどのように顧客に愛されるモデルになりうるか、という掘り下げです。
年間1000種類のアイスを食べる男
コンビニのアイスが好きで、アイス評論家になってしまった方がおられます。その名も「アイスマン福留氏」は朝から晩までアイスを食べて、レビューを書き、それをアイスのポータルサイトにアップしています。今ではそのサイトは「アイス」で検索すればトップに登場、本人もテレビ出演や講演と忙しい日々を送っておられます。
彼は「自分が興味あるもの、楽しいこと、好きなことだけ抽出して、小さくてもいいからそれを自分の世界のすべてにし、わがままだと言われても一度きりの人生、やっぱり楽しみたい」と語っておられます。
同時に彼は「アイスの活動を通じて多くの人の小さな喜びに触れたい」と、それが人々を幸せにすることを目指しています。仕事に対する実に清々しい態度ではないでしょうか。
おわりに
好きなことを仕事にした男として誰もが思い出すのがスティーブ・ジョブズです。彼がスタンフォード大学で語ったスピーチはいまではひとつの伝説になっています。
彼は「真に満足を得る唯一の方法は仕事が偉大な仕事だと信じること、そして偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることがたまらなく好きにになること」だと語りました。
好きなことで起業することが意義ある人生を保証するわけではありませんが、その入り口になりうることは確かです。
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