/ 2015年6月12日金曜日 / No comments /

「良い借金」と「悪い借金」の違いとは?起業における借入の重要性


起業においてできるだけリスクを負いたくなければ自己資本の比率を高くするべき、誰もがそう思うことでしょう。しかし、資金準備に膨大な時間がかかるのであれば、今度は機会損失というリスクを負うことになります。

借金をネガティブに捉えるべきか?

東京スター銀行CEOのロバート・M・ベラーディは「良い借金」と「悪い借金」の違いについて言及し、前者は「利息よりも大きな価値を将来的に得られる可能性が高い借金」で、後者は「将来的な価値を生み出さない、ただ目の前の欲求を満たすためだけの借金」と述べています。

つまり、すべての借金をネガティブに捉える必要はありません。長期的な視野に立って、自分の借金が「良い借金かどうか」を考えてみましょう。

時間こそがもっとも貴重な資源

起業において恐れるべきは、借りたお金を返せなくなることだけでなく、利益をあげることができたはずの機会を失うことです。トヨタの代表取締役、日本経団連会長などを歴任した実業家、奥田碩氏はかつてトヨタの理念を説明し「改善は巧遅より拙速を尊ぶ」と述べました。

さらに「上手くやろうとすればするほど、準備に時間がかかり、機会損失は拡大する。下手でもいいからやってみて、上手くいかないところは、その都度、直していくほうが効率的」と、とにかく動き出すことの重要性を強調しましました。

借金によって機会損失を減らす

機会損失とは「実際の取引によって発生した損失ではなく、しないことによって利益を得る機会を逃すことで生じる損失」と定義できます。実際に発生したわけでないので、利益を逃す蓋然性が高い場合には借金によってそのリスクをヘッジするべきです。

例えば、顧客が購入する蓋然性が高い商品の在庫が切れていれば、借金によってでも在庫を確保し、顧客満足に答えるべきです。なぜなら、機会損失は1回の取引のみではなく、その後の顧客取引全般にまで影響します。一旦失った信頼は二度と取り戻せません。

借金による金利を上回る機会損失があるのか

借金という選択肢をとるべきか否かは、借金による金利との比較に判断が可能です。もちろん、機会損失は起きていない以上、どの程度のものになるのかを完全に予想し、把握することは不可能です。

自分が始めようと思っている事業をすでに立ち上げた人の話や、経験談などを読むなどして、できるだけ具体的に予想できるようにしておきましょう。

おわりに

借金すべきかどうか判断するためには、長期的な視点が必要です。できるだけ具体的かつ客観的な資料を準備し、判断が主観的にならないようにし、コストをきちんとマネジメントしながら、機会損失を避けたいものです。

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