/ 2015年5月29日金曜日 / No comments /

プランAだけでなくプランB、Cも用意する


他国と比べて日本での起業が非常に少ない理由として、「起業に失敗して取り返しの付かない結果になるのでは?」、という過度の心配が挙げられます。

しかし、これはあまりに極端な考え方であるのかもしれません。例えば、大学を卒業して初めて就職した会社に一生勤め上げる方がどのくらいいるでしょうか。ほとんどの方が自分の適性を見極めながら、転職し、スキルアップを図っていきます。つまり、起業という選択だけを特別扱いする必要はないのです。

最初に目指すもので、うまくいかないことはよくある 

みなさんは、科学的アプローチというものをご存知でしょうか。科学の分野においては、研究の際に「仮説を立て、実際に試し、結果を検証し、仮説を修正する」という流れを繰り返します。そして、このアプローチは起業にもあてはめることができます。

最初の起業は、「うまくいくだろう」と仮説を立て、実際に試している段階であり、それだけで成功が保証されると考えるのはあまりに非現実的です。大事なのはむしろそのあとの「結果を検証し、仮説を修正する」ことです。

起業して成功した人の9割は最初の事業をあきらめている

国税庁の調査によると、起業した会社の85%は5年で、93.7%は10年で廃業に追い込まれます。このデータをみると、「起業は厳しい」と思われるかもしれません。しかし、勘違いしてはいけません。このデータが示す93.7%という割合は、「起業家としての人生が終わってしまった人の割合」では無いのです。

一度の起業であきらめてしまった人もいますが、中には最初の事業を捨てて、別の業種に乗り換えて成功した人たちもたくさん含まれています。事実、起業した成功した人の9割は当初の事業とは違った内容で成功していると言われています。

やってみてダメだったら軌道修正すればいい

2011年にエンジニア出身の起業家エリック・リースが提唱した「リーンスタートアップ理論」というものをご存知でしょうか。「リーン」とは「無駄がない」という意味で、スタートアップはシンプルにして、その後、フィードバックと軌道修正を繰り返しながら、起業の成功率を高めるという手法です。

確かに起業したばかりの状態は不確定要素が非常に多いカオス状態です。その状態に対して周到な準備をしてもあまり意味が無い、というこの理論は確かに一理あります。

最初の道にこだわらないことが鍵

「リーンスタートアップ理論」は言ってみれば「見切り発車」です。ただ、その「発車」は失敗する可能性が高いことを前提にしていますので、コストは低く抑えます。まずは低コストでサービスを提供したり、製品を売ったりする中で顧客の反応を見て、すぐに方向性を変えます。軸足はそのままですが、過大のコストをかけていないので、最初の道にそこまでこだわらずに、身軽に動くことができるのです。

ダメなときだけでなく、うまくいったときにも次善の策は役立つ

ダメなときに次善策があれば、すぐに軌道修正ができるだけでなく、うまくいっても次善策は役立ちます。「転ばぬ先の杖」ということわざが示す通り、自分の事業にどんな失敗の可能性があるかを前もって考えておくことは、リスク管理にも大きな威力を発揮します。

おわりに

日本人は「石橋を叩いて渡る」国民性のためか、「トライ・アンド・エラー」という発想がなかなか馴染みにくいように思われます。しかし、起業するということは不確実性の連続に対処するということ、次善策を準備しておいて、軌道修正を図っていけば良いのです。

Share This Post :
Tags :

0 件のコメント:

コメントを投稿