/ 2015年7月3日金曜日 / No comments /

「ノマドワーク」に秘められた多くの可能性とは?多拠点という新たなワークスタイル


特定の職場を持たない新しい働き方として、「ノマド」という言葉が使われ始めて数年が経ち、一部では定着しつつありますが、現在では、その進化形とも言える「多拠点」を選択する人々が現れ始めました。多拠点という暮らし方・働き方は、都市と地方に複数の拠点を持ち、それぞれの恩恵を享受する次世代のスタイルです。
ノマドワークに今後の発展が見込まれるように、多拠点ワークにも将来性が期待されます。そして、多拠点を実践している先駆者達も、その生活の中に価値を見出しています。

ノマドワークの現状に多拠点ワークの将来を見る

すでに定着しつつあるノマドワークの現状は、類似点の多い多拠点ワークの将来性を読み解くヒントとなります。
一般社団法人日本経営協会による「ノマドワーカーの働き方実態調査報告書」によると、ノマドワーカーを活用する企業割合は平成25年時点で19.3%ですが、今後の連携・活用が増加すると考える企業は56.3%にも上り、今後の発展が見込まれます。
企業側の希望に応じて面談の時間を設けられるのであれば、ノマドと多拠点との違いは企業に不自由を感じさせるものではないと考えられます。多拠点ワーカーでも、企業の期待に応えることができれば、連携の可能性は十分あります。
同調査によると、企業がノマドワーカーに求めるものとして「専門知識・技能」(75.9%)と「プロ意識を持って成果・ミッションを達成すること」(75.5%)が挙げられ、評価基準も「成果」(72.6%)と「専門能力」(53.3%)が上位であることより、同様の能力が多拠点ワーカーにも求められると予測されます。

【活用例1】2拠点生活の価値に気付き3拠点へと発展

ジャーナリストとして活躍する佐々木俊尚氏は、2011年から東京と軽井沢との2箇所に拠点を設けて生活してきた、いわば多拠点居住の先駆者です。さらに、2015年5月からは、新たに福井にも拠点を設け、3拠点生活を開始しています。
同氏が最初に2拠点を設けたのは、東日本大震災によりリスクヘッジをしたいと考えたことがきっかけです。「人と会える」という東京の価値を大切にしつつも、今では、気分転換や思考整理の機会が得られるという多拠点生活の価値を見出し、自分に合った暮らしであると話します。

【活用例2】心地良い環境の中で仕事と人生が豊かに

スマートフォンアプリ・Webサービスの開発・運営を行うウミーベ株式会社の代表取締役CEOを務めるカズワタベ氏は、2013年12月から、福岡と東京の2拠点生活を始めています。
それまで東京で活動をしていたカズワタベ氏が2拠点生活に踏み切った目的は、「生活環境の改善」と「新しい働き方の模索」です。同氏は、東京の規模に馴染めない感覚を抱き、心地良く生活できる土地として、福岡に新たな拠点を設けました。
東京で刺激的な情報や人との出会いを補いながら、福岡では、穏やかな環境を得るとともに東京とは違う仕事のチャンスが増えているそうです。2拠点生活によって人生が豊かになり、福岡移住はベストチョイスだったと振り返っています。

おわりに

「多拠点」という新たな発想により、地方で自分らしい暮らしを確保しつつ、仕事に必要な都市の恩恵を享受できます。次世代の暮らし方・働き方として、今後の進展が期待されるところです。

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