/ 2015年7月1日水曜日 / No comments /

「アイディア」と「コンセプト」は違う?ビジネスモデルを具体化して事業計画を練ろう


どんなに優れたアイディア、イノベーションであってもそのままではビジネスとして成立しません。それはまるでガイドブックを見て、まだ見ぬ地への旅行への思いを膨らませるだけで何のプランニングをしないのと同じです。もしそのまま旅に出かければ、そこから得るものはほとんどないだけでなく、危険な目に遭う可能性すらあります。同じようにビジネスを成功させたいと思うすべての起業家はビジネスモデルを具体化した質の高い事業計画書を作成しなければなりません。

なぜ事業計画書は必要なのか

主な理由は2つあります。一つは起業家自身が自分のアイディアを実行するにあたって具体化、客観化するプロセスで、それを多角的な視点から分析していくことができるという点です。そして、もう一つは自分のビジネスモデルを他の人々にも知ってもらうという点です。

ビジネスを始めるにあたってどうしても必要なのは資金ですが、資金を借り入れる際に金融機関やベンチャーキャピタルに自分のビジネスモデルを説明し、プレゼンしなければなりません。より具体化された事業計画を提示して始めて相手を説得することが出来、自分のビジネスに融資、あるいは投資することの価値について理解してもらうことが可能になります。

アイディアをコンセプトにするプロセス

コア・コンセプト研究所の大西宏氏によれば、アイディアとは「新しい発想で、ちょっとした思いつき、着想、奇想天外なもの」で構わないが、コンセプトは「アイディアの実現をはかるための基本的な考え方、あるいはいくつものアイディアを結びつけ、ものごとを実行するための構想や計画に導き、組み立てるための中心となる思想、目的をイメージさせ、共有することを目指したもの」とのことです。

説得力のある事業計画書を作るためにはコンセプトを明確にしておく必要があります。コンセプトは会社や事業、製品やサービスの柱となり、そこに関係する人たちを一つの方向に駆り立てる原動力となるものだからです。アイディアをコンセプトにするためには「精錬」する時間が必要です。自分のアイディアを紙に書き出したり、起業パートナーとディスカッションするなどしてアウトプットしたりするより、体系化・具体化されていきます。

事業計画書の書き方

事業計画書に盛り込むべき項目はある程度決まっています。奇想天外な項目を含め、述べるべきことを述べていない事業計画書は金融機関やベンチャーキャピタルから見ても不安を感じさせるものになりますから気をつけましょう。

事業計画書に含めるべき点は主に7つです。

  1. 事業の概要
  2. 会社概要
  3. 製品とサービス
  4. 市場分析の概要
  5. 戦略と実行方法
  6. 経営概要
  7. 資金計画

これらを通常はこの順番に事業計画書の中に含めていきますが、実際に作るときは、事業の概要は最後に書くことになるはずです。すべての議論を終えたあとのほうが、この根幹をなすコンセプトは明確になっているからです。

注意すべきこと

アイディアと事業計画のもっとも大きな違いは「他者を意識している」という点です。ですから、事業計画書は相手に伝わるものでなければ何の意味もありません。アイディアはある意味で「ひとりよがり」なものでも構いませんが、事業計画書はそれが許されません。それで事業計画書を作成するときには常に他者を意識して作るようにしてください。上に挙げた各項目を説明するときも図表やデータなどを含めて、相手が具体的に自社のコンセプトについてイメージできるように工夫を凝らしましょう。

おわりに

優秀な経営者は、発想が豊かなだけでなく、それを伝えるパッションと方法を備えています。事業計画書によって、起業家の思いが十分に反映され、それが相手の心に伝わり、相手を動かせるように周到な準備を重ねましょう。

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